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モンタージュの代表作「戦艦ポチョムキン」

2024年08月05日(月)

「カメラを止めるな」(2018年)や「1917」(2019年)で試みられた、1台のカメラが切り替えることなく続けて写し撮っていく〈ワンシーン・ワンカット〉という映画があります。その対極にあるカットの連続で、編集作業によって喜怒哀楽を表現する〈モンタージュ理論〉、その代表格の映画が「戦艦ポチョムキン」です。

言わずと知れたエイゼンシュテイン監督の映画史上に残る名作です。映画にはまっていた学生の頃、この「ポチョムキン」を見たくて仕方がなかったのですが、なかなか出会えません。いろんな映画の本を読んだり、シナリオまで読みながらどんな映画かをイメージしていました。1973年3月春休みで埼玉県に帰省していた時に新宿文化劇場で、「十月」との二本立て上映を発見!朝一番から2回ずつ見て大満足したことを思い出します。

冒頭ポチョムキン号の乗組員への待遇のひどさ加減が描かれ、彼らの不満がシチュー鍋が煮えたぎっているシーンで表現されているところなど、全編モンタージュの連続です。有名な6分間のオデッサ階段のシーンでは、27歳の監督の〈ロシア革命〉との出会いの熱(あつ)さと、モンタージュという〈映画表現の革命〉に取り組む青年監督のほとばしる情熱が、一気呵成に畳みかけるように見るものに迫ってきます。私も手を握りしめながら、気持ちが高揚し思わずこみあげてくるほど感動しました。ラスト、向かってくる戦艦が敵か味方かという緊張感も「ウラ―!!」の声で大団円、映画を大好きになった瞬間です。